先日の「トリビアの泉」で、「山下清画伯は旅先ではなく家に帰ってから絵を描いていた」というトリビアが出ていてました。
1997 年まで放送していたテレビシリーズ「裸の大将」では旅先でドタバタ人情劇を繰り広げた後、清さんがお礼に残した貼り絵を見て、みんなが「あの山下清画伯だ!」と気づいて探し回るけれど、もう清さんは放浪の旅に出かけてしまった後…というのが定番の内容でした。
でも、実際の山下清さんは、旅先で見た風景を覚えておいて、家に帰ってからコツコツと貼り絵を作成したそうです。写真も撮っていないのに記憶だけであれだけ緻密な色や構図を貼り絵で再現できるっていうのはすごい才能です。
その山下清さんが書いた「ヨーロッパぶらりぶらり」という旅行記がすごくおもしろいんです。昭和 30 年代に医師の式場隆三郎氏たちとともに行ったヨーロッパ旅行の様子が清さんの純粋な視点で描かれています。ヨーロッパ各国の様子を自分の経験と比べながら漏らす感想には、思わず笑ってしまうものやハッとさせられるものも。
かなり前の旅行記ですが、たぶん今その国に行ってもあまり情景は変わっていないと思います。清さんが描いた点描の挿し絵も雰囲気があって、その国を訪れたことがない人にもオススメです。もちろん、その国に行ったことがある人が読むと「あぁ、そうだった」と旅行に行った時のことを懐かしく思い出すとともに、清さんの独特の視点を楽しむことができます。私の一番のオススメ旅行記です。